この笛が生まれたいきさつ。
森のオカリナ樹・音をデザインした、安川誠。
2010年に舌癌で亡くなりました。病気がわかったのは6年前の2004年。
そこから6年半、手術はしないという選択をし癌と共に生きました。
仕事はギターを弾き・歌をうたい・笛を作り演奏すること。
何故か病気の発覚後から仕事は忙しくなり全国を廻る日々・・・
2009年の夏ごろから、癌は大きくなり、終に手術をすることを決意しました。
手術とは、舌を切除すると言うことです。9割です。
歌う事はもちろん、物食べ飲み込む事・喋ること・笛を今までの様に演奏することはもう出来ないものだと、覚悟したのです。
舌って、色々な役割を持って働いているのですね。失って初めて実感しました。
舌が無くなるという事は、すべてがゼロになる事だと思っていました。
・・・が、ゼロではなかったのです。安川誠の場合。
1割残った舌根でも、噛むことはできないけれど飲み込むことが出来た。
お医者様から、誤嚥の可能性があるからとい胃ろうやチューブからの流動食を薦められていました。
歌う事は難しかったけど、喋れるようになりました。
聞き取るのは難しかったかな?どうだろう?術後3ヶ月後の300人のコンサートでお客様に理解していただけるぐらいです。
そして、笛を演奏できました。
樹・音って、他の管楽器同様「タンギング」という技法を使いながら演奏します。
タンギングを使って、音のメリハリを出す基本的な技法です。
「タン=舌」なのですが、舌が無いので喉でタンギングすることを練習しました。
お医者さんがビックリするぐらい、残った1割の舌が頑張っていました。
それはきっと笛を吹いていたからだ!
知らないうちに舌や肺活量を鍛えていたのじゃない?!
笛吹くと楽しい!でも、樹・音は少し難しいという方でも演奏できる笛。今はそれが求められているんじゃないか。優しい木の「リハビリにも使える笛」があるといいんじゃないか?
それを持って、人が集うと楽しいんじゃないか?
と言うコンセプトで生まれたのが「森の笛ポーネ」です。
そんな風に試行錯誤を重ねながら誕生したこのポーネ。
ただ今、様々な可能性を模索中なのですが、もしかしたら「ひとつ」
やってみたいと思っていたことが出来るかもしれません。それは・・・
長くなっちゃったので、次回!
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