2018/11/21

とし子さん

1本の樹音がつないでくれる「小さな縁」

とし子さんは、裕子さんの務めるホスピスの患者さんだった。
2016年年明けに入院の予定で東京から見学に来られた時、ホールで樹音を吹く裕子さんの音色に惹かれたっておっしゃっていた。

「その時から、入院が楽しみになったの。入院したら、裕子さんに樹音教えてもらえるんだから、、、」





その時から、彼女のスイッチが入ったようだった。
訪問の時、彼女MOCCAのコンサートや、若い看護師さんに交じって樹音教室にも参加。
「疲れませんか?」「大丈夫ですか?」と声をかけると、「大丈夫よ」とのお返事。
びっちり練習をして、部屋に引き上げていかれた。
次会えるのかなと思った私。

それから3か月。「夫と樹音フェスに参加したい」と連絡を受けた時、半信半疑だった。
茅野駅に迎えに行ったとき、人の波から手を振っていたとし子さんは歩いていた。
「えー!!」
そして、樹音フェスに楽しく参加してくださって、、、

「私たち子どももいないし、夫が1人残されるの。だからいっぱいの楽しい思い出を残しておいてやりたいの。」
「だからあなたも樹音を習って一緒に吹こう」と、ちょっとしり込みのご主人を誘った
とし子さん。
「八ヶ岳にも会えたし、幸せだ!!」と帰って行かれた。


とし子さんご夫妻は若いゆみこさん訪問レッスンを受け、秋、昭島市で開かれたイベントにも来てくださった。参加者の皆さんと一緒に「故郷」を吹いて,黄葉の木の下で集合写真。「楽しかったー」と帰って行かれた。
2年前のちょうど今頃。

今年になって亡くなった。
裕子さんから聞いた。
樹音がつないでくれた、奇跡のご縁のお話でした。


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